【行政サービス実態調査】17.3%の方が、行政サービスがあることを知らずにサービスを受けられなかった経験があると回答
- category : GDX レポート #手続・申請 #調査
- writer : GDX TIMES編集部
これまで、全国100自治体以上の子育て行政サービス情報Webサイト・アプリ「子育てタウン」を運営してきた株式会社アスコエパートナーズ(所在地:東京都港区 代表取締役社長:安井秀行 以下、アスコエ)は、この度、全国の20代~60代の男女、446名を対象に、行政サービスに関するモニター調査を実施しました。
調査の結果から、行政サービスに期待していること、不満など、住民の生の声をレポートします。
行政サービス、何をどうやって探す?
Q.お住まいの自治体の行政サービス情報について、自治体から案内される以外に自分で調べたことはありますか?
57.8%の方が、自ら手続きを調べたことがないと回答されました。探したことがない理由として、「必要がない」「考えたことがない」「機会がない」というコメントが大半であり、「尋ねれば答えてもらえるから」「自治体の情報で十分だから」「案内以上のものを調べる必要がないから」といったコメントにもあるように、行政サービスは、調べずとも必要な内容は自治体から案内されるものであるという認識があることが分かります。
Q.「はい」と答えた方)お住まいの自治体の行政サービス情報はどこで探しますか?
84.6%の方がWeb上で行政サービス情報を探すと回答。次いで、自治体広報誌が34.0%であり、まずはWebで検索をされる方が圧倒的に多いことが分かります。
Q.「はい」と答えた方)どのような情報を探しましたか?
探された情報としては、「補助金・給付金などの金銭的支援」「ゴミの分別・出し方・粗大ごみの申込」が最も多い結果となりました。次いで、「福祉関連情報(医療、介護、高齢者、障がい者)」「コロナ関連情報」「子育て関連情報」「税金」「マイナンバーカード関連」と回答。
金銭的支援や、福祉関連支援については、住民からの申請に基づいて受けることができるサービスが多く、また対象条件などが複雑になる場合があるため、住民自ら支給条件などを調べる必要があると考えられます。
ゴミの出し方については、パンフレット等では掲載されている例が少なく判断がつかないために、検索されることが多いようです。
行政サービスのどんなところに不便・不都合を感じる?
Q.行政サービス情報の内容が分かりづらく、不便・不都合を感じたことはありますか?
多くの方が、「HPがごちゃごちゃして検索しづらい」「情報が多すぎて欲しい情報が見つけられない」と回答。一方、情報を見つけても、「説明が簡素過ぎて分からなく、窓口で聞いた方が良かった」「書類だけでは分からないので電話した」「具体的なことは窓口で聞かないと情報が得られない」と感じられているようです。行政サービスは多岐に渡るため、HP上に掲載される多くの情報から欲しい情報へ辿り着くことが難しく、また辿り着いたとしても、記載された情報だけでは不十分であるという課題が見えてきます。
情報の不十分さ、分かりづらさについては、「自分が要件を満たしているのか分かりづらい点やどのような人が対象なのか分かりづらい」「手続きに必要な書類がいろいろ違うため分かりにくい」「難しい表現ばかり」といった回答があるように、行政用語は専門的で、独特な表現が多いため、読んでも容易に理解することが難しいことについて困難を感じられるようです。
また、「国と県と市のサービスが一度に調べられない」という回答から、住民にとってはサービスの主体がどこであるかに関わらず、自身の状況において活用ができる行政サービスについては、まとめて調べたいというニーズが伺えます。
他に、「自立支援医療費制度について誰も教えてくれず、たまたまSNSで知った」「埋もれている制度をもっとPRすべき」といった回答もありました。必要な支援制度、役に立つ行政サービスが、的確に情報発信されることへの期待も伺えます。
申請できたのに…。知らなかった行政サービス
Q.行政サービス情報を知らなかったことでサービスを受けられなかったという経験はありますか?
17.3%の方が、行政サービスがあることを知らずにサービスを受けられなかった経験があると回答しました。
Q.はいと答えた方)どのような内容か具体的に教えてください
以下のような援助・補助、免除、減免などについて、対象であったのに、申請できることを知らずにサービスを受けられなかったと回答がありました。サービスを受けられなかったことについて、ショックを受けたという方もいらっしゃいました。
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・移住、定住に対しての助成金
・世帯分離について知らなくて無駄なお金を使ったり支援が受けられなかった
・ゴミの引き取りサービス
・国民健康保険の減免
・蓄電池への助成金
・震災時の補助金
・電動自動車購入や教育に関する助成
・コロナ休業の補助金
・医療費が補助されること
・引越しの祝い金
・困窮世帯給付金支援
・家に関する助成金
・低金利の貸付
・離婚でなく別居状態でも、手続きすれば児童扶養手当がもらえること
・市民半額鑑賞会
・不在期間の水道料金免除
・無料タクシー券
・付加年金
・保険料の還付
・健康診断
・障がい者割引
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総評
今回行った調査では、行政サービス情報を自ら調べたことがない理由に、「難しいから」「何を探せば良いか分からないから」「自分にとって何が必要な情報なのか分からないから」というコメントがありました。そもそも、自治体から案内のある行政サービス以外で、申請をすれば受け取ることのできる行政サービスがあることを知らないために、結果として自ら調べる「必要がない」「機会がない」と感じられていると考えられます。
同様に、17.3%の方が、行政サービスがあることを知らずにサービスを受けられなかった経験があると認識されていますが、実際にはより多くの方が、受けられるサービスがあることを知らなかった可能性が考えられます。
行政手続のオンライン化が進んでいますが、「Webサイトやアプリが使いづらい」「民間企業のホームページのように作り直してほしい」「プッシュ型で案内してほしい」というように、民間のWebサービスに慣れた方々にとっては、行政のWebサービスはまだまだ不便に感じられるようです。
「知らなかったがために行政サービスを受けることができなかった」ということがないような行政サービス情報の発信、民間を巻き込んだ仕組みづくりが必要ではないでしょうか。
■ アンケート調査概要
・調査⽅法:Webアンケート
・調査対象:全国の都道府県20代~60代の方
・有効回答数:446名