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2024年10月16日

【自治体Webサイトリニューアルの成功の鍵】コンテンツ整理の進め方ガイド

自治体Webサイトは数年おきにリニューアルされますが、その際に避けて通れないのがコンテンツの移行作業です。近年では、単なるコンテンツの移行だけでなく、Webサイトの閲覧者が目的のコンテンツへ辿り着きやすくするための情報整理、つまりコンテンツの整理も自治体からの要件に含まれるケースが増えています。

自治体Webサイトは膨大なコンテンツを保有しており、また、Webサイト全体を統括管理している課に加えて、各原課が担当ページを更新するなど、コンテンツ構造が複雑化していることがよくあります。そのため、数年おきの定期的な情報整理は職員にとっても、Webサイトを閲覧する住民や事業者にとっても価値ある取り組みとなります。

しかし、CMS(Contents Management System)の導入やデザイン案の作成に加えて、Webサイトの情報整理も行うことは、Webサイトのリニューアルを実施するプロジェクト担当者にとっては大きな負担となります。

本稿では、弊社のこれまでの経験をもとに、自治体Webサイトの情報整理の手順とポイントについてご紹介します。

【最も重要な作業】目的の整理

コンテンツの整理において最も重要なのは、目的の明確化です。関係者間で目指す方向性が統一されていないと、情報整理の過程で委託者と受託者の間に意見の相違が生じ、作業計画の見直しを余儀なくされる可能性があります。また、自治体によっては全体で定められたDX方針が上位に存在する場合もあるため、この点にも注意を払う必要があります。

Webサイトの運用を管理している自治体の担当者との意見すり合わせは、可能な限り事業の初期段階で実施することが望ましいです。自治体のWebサイトにおいてよくある課題には、以下のようなものがあります。

  • トップページからの情報経路の整理
  • コンテンツまでの階層深さの改善
  • 情報発信力の改善(災害時や緊急時の情報発信強化)

これらの課題を念頭に置きつつ、自治体の担当者と綿密な協議を重ねることが不可欠です。双方の視点や要望を丁寧に擦り合わせ、明確な目標と具体的な改善策を共に策定していくプロセスが、効果的なコンテンツ整理の成功への鍵となるでしょう。

リニューアル前のWebサイトのコンテンツを棚卸し

目的の整理と並行して、現在のWebサイトにあるコンテンツの棚卸しを進める必要があります。この作業では、リニューアル前の自治体WebサイトのコンテンツリストをExcel等で作成します。可能であれば、現在運用中のCMSからこれらの情報をエクスポートできることが望ましいです。

コンテンツリストには、後続の検討作業で活用するために、以下のような情報を整理します。

  • コンテンツURL
  • コンテンツ名
  • コンテンツ内容
  • URLの重複
  • リンク切れ
  • 最終更新日
  • アクセス数

【入念な準備を】リニューアル前のWebサイトに関する分析・リサーチ

リニューアル前のWebサイトについて、メニュー分類や構成に関する調査を行うことが重要です。この調査では、グローバルナビゲーションの構成が一般的な自治体Webサイトと比較してどのような特徴を持っているか、各カテゴリ配下のページ数や階層の深さ等を調べます。これらの情報は、リニューアル前のWebサイトの特性を理解し、リニューアル後のWebサイトの構造を改善するための基礎資料となります。

リニューアル後のWebサイトを想定したコンテンツの整理

情報の最上位の入口となるグローバルナビゲーションや、第2階層のインデックスのプランを作成します。この過程では、トップページのデザイン案のどこにどのコンテンツのリンクを設定するのか、自治体の担当者と相談しながら進めます。自治体の担当者にとっては、Webサイトの顔となるトップページがどのような形になるかは、特に時間をかけて作りこみたいという思いが強くある場合が多いため、適宜フィードバックを受け取り、デザインとコンテンツ整理を相互に調整しつつ作業を進行させます。 

また、新規CMSへの移行作業を想定し、リニューアル前のWebサイトのコンテンツ情報とリニューアル後のWebサイトのコンテンツ情報の対応付けを行います。

リニューアル前(現行)と後のコンテンツ情報の対応付けイメージ

【仕上げの段階】細部調整

Webサイトの構造をより効率的かつユーザーフレンドリーなものに改善するために、次のような作業を行います。

  • コンテンツの統合・分離
  • コンテンツ名の変更
  • コンテンツの削除(リンク切れ、最終更新から一定年数以上経過したページ、配下コンテンツのないインデックスページ)

誰もが探しやすい行政サービスメニューを目指して

本稿では、弊社のこれまでの経験をもとに、コンテンツ整理の際の手順とポイントについてご紹介しました。自治体Webサイトのコンテンツ整理作業は、利用者や委託者の目には効果が見えづらいものですが、情報を探しやすくするための基礎となる重要な部分です。見えづらい部分だからこそ、しっかりと実施することで、他のサイトと比較してより優れたものになると考えられます。本稿が、今後自治体Webサイトのコンテンツ整理を検討される方々の一助となれば幸いです。

尚、弊社では自治体Webサイトのコンテンツ整理を行う際に、「Universal Menu®(以下、UM)」を利用しています。UMは、一般社団法人ユニバーサルメニュー普及協会によって開発された、国・自治体行政サービスに関する標準メニュー体系です。ユーザーである市民にとって探しやすい情報構造・分かりやすい表現となるように設計されています。詳しくは、こちらをご覧ください。

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