【ぴったりサービス】子育てや介護などの手続きに関する情報検索や申請がぐっとラクに
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- writer : GDX TIMES編集部
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政府が運用するオンラインサービス「マイナポータル」の機能のひとつに「ぴったりサービス」があります。子育てや介護など、さまざまな行政サービスや申請手続きを検索し、オンラインでの申請を可能とするサービスです。ここでは、この「ぴったりサービス」でできること、政府による「ぴったりサービス」の活用を加速する動き、地方自治体の取り組み状況などについて解説します。
「ぴったりサービス」とは
「ぴったりサービス」は、政府が運用するオンラインサービス「マイナポータル」が提供するサービスのひとつで、お住いの市区町村で利用可能な行政サービスの検索やオンライン申請などができます。
マイナポータルについては、こちらの記事もお読みください。
「マイナポータル」の本格運用がスタートしたのが2017年7月。まずは子育て関連情報の提供から始まった「ぴったりサービス」ですが、現在では、以下のとおり対象分野を増やし、充実したサービスとなっています。
- 妊娠・出産
- 子育て
- 引越し・住まい
- 就職・退職
- ご不幸
- 戸籍・住民票印鑑登録など
- 国民健康保険
- 障がい者支援
- 健康・医療
「ぴったりサービス」でできること
「ぴったりサービス」では、知りたい手続きの検索や申請書などの書類の作成、電子申請が、オンラインでできます。
知りたい制度・手続きを検索
子育てに関する手続きをはじめ、さまざまな申請や届出を地域別に検索して、その詳細を確認することができます。質問に答えるだけの「ぴったり検索」、キーワードを入れるだけの「キーワード検索」、すべての手続きが確認できる「一覧から検索」という3つの検索方法で、知りたい手続きを探すことができます。
申請書のオンライン入力・印刷
オンライン上で申請書を作成し、印刷することができる手続きもあります。このような手続きでは、事前にオンラインで作成した申請書を窓口に提出することで、手続きの申請をスムーズに行えるようになります。オンライン入力の途中で入力内容を保存し、好きなタイミングで入力を再開することも可能です。
オンライン申請
オンライン上で申請を完了することができる手続きもあり、こちらも入力中の申請内容の保存・再開が可能です。また、マイナンバーカードを使って電子署名をすることができます。手続きによっては、オンライン申請送信後に本人確認書類の提出が必要なこともありますので、送信時に確認しておきましょう。
政府が掲げる「ぴったりサービス」取り組みが加速
「ぴったりサービス」の有用性や多くの地方自治体で汎用的に活用できる点に着目して、日本政府は「ぴったりサービス」を活用した申請手続きなどの電子化、オンライン化を加速しようとしています。
政府の「ぴったりサービス」への意気込み
行政サービスの効率化、オンライン化による利便性の向上に向けて、「ぴったりサービス」を活用していくことを、以下のとおり、国の施策として示しています。
2019年12月|デジタル・ガバメント実行計画
マイナポータルの「ぴったりサービス」は、地方公共団体等に対する手続について汎用的に活用できることから、内閣官房、総務省及び内閣府は、原則として、全ての市区町村について、マイナポータルの「ぴったりサービス」を活用した手続のオンライン化を進めることができるように取り組む。
デジタル・ガバメント実行計画|12-1-ア 汎用的電子申請システムの基盤整備 より
2020年7月|経済財政運営と改革の基本方針2020
国が整備したマイナポータル・ぴったりサービスを原則として全ての市町村が活用してオンライン化を進めることができるよう導入を早急に促進するとともに、さらに地方自治体のAPI・RPA活用の好事例を国が横展開する。
経済財政運営と改革の基本方針2020/第3章-1-(1)-③ 国・地方を通じたデジタル基盤の標準化の加速 より
2020年12月|ぴったりサービス申請APIの提供
「ぴったりサービス申請」API※の提供、運用が開始されました。このことにより、行政機関だけではなく企業や市民団体等の民間組織が運営するWEBサイトやアプリと「ぴったり申請サービス」との連携機能の開発が促進されます。
※ API :ソフトウエアやアプリケーションの一部をWEB上で公開することによって、第三者が開発した機能と共有・連携できるようにすること。
2021年度上半期開始|全自治体接続基盤の構築
「ぴったりサービス」について、全自治体との接続環境を整備し、申請書の共通様式を登録して利用できるようなります。
2021年度中|ぴったりサービスのUX/UI改善
誤入力を防いで同じ項目を重ねて入力させないしくみを構築し、スマートフォンでの操作に最適化したサービスとするために、画面表示や操作手順が改善されます。
都道府県・各自治体の「ぴったりサービス」取り組み状況
2020年に総務省が行った調査(地方公共団体における電子申請システムの整備状況)によると、すべての都道府県で「eLTAX」を除く何らかの手続きが電子申請システムとして整備されていることがわかりました。これを市区町村別に見ると、全1,741団体中、1,549団体(89.0%)が整備済みで、人口カバー率は98.6%でした。
政府は、2022年度末までに共同利用における汎用的電子申請システムを導入し、電子申請の受付を開始する都道府県または市区町村に対して、その導入に要する経費についての特別交付税措置を講じるとしています。このような優遇措置を用意することによって、電子申請システムの整備・普及を促進し、さらにこの取り組みを加速しようとしています。
「ぴったりサービス」の利用促進は、利用者への利便性の提供ばかりではなく、行政サービスの電子化やワンストップ化、ワンスオンリー化を進めることで、国や地方公共団体などのデジタル基盤を整えていくことにつながります。これは、行政のあり方自体を大きく変革していく動きに通じるものであり、「ぴったりサービス」が「デジタル・ガバメント」実現のための大きな推進力になっていくことが期待されます。